ここでは、AYUMI EYEが指標としている「推進力」「バランス」「リズム」について紹介します。
推進力とは?
推進力とは、前に進む力のことをいいます。
満点を100点とし、点数が大きいほど、前に進む力が大きいと評価します。
推進力の算出方法
歩行速度、歩幅、上下加速度標準偏差より算出します。
歩行速度
点数 :早いほど高得点
計算式:(設定距離)÷(測定時間)
参考値(自験データ)
若年群:2.04±0.34
高齢群:1.12±0.25
歩幅
点数 :大きいほど高得点
計算式:(設定距離)÷(歩数)
参考値(自験データ)
若年群:86.42±6.7
高齢群:58.87±11.49
ダイナミズム(上下加速度標準偏差)
上下加速度によるデータのばらつきから算出します。
点数:大きいほど(元気に大きく歩くと)高得点
補足
◎ 青信号は1秒1m:標準的な信号機の基準→安全な横断には歩行速度1.00m/sが必要
◎ 歩幅の目安:歩幅=身長×0.4-0.5cm 例)身長160cm:64-80cm
バランスとは?
バランスとは、歩行中の身体の揺れの程度のことをいいます。
満点を100点とし、点数が大きいほど、歩行中の身体の揺れが少ないと評価します。
バランスの算出方法
バランスの点数は、RMS(Root Mean Square)より算出しています。
RMSが0の場合、バランス100点
RMSが4.50の場合、バランス20点
参考値(自験データ)
若年群:1.21±0.29
高齢群:2.79±4.32
RMS(Root Mean Square)とは?
RMSとは、歩行時の身体の揺れの程度を表した値をいいます。
・波形の振幅の程度を表す
・動揺性の指標
・先行研究にて多数採用
全プロットデータの加速度の二乗平均平方根を歩行速度の二乗で除して正規化している。3軸それぞれのRMSを求め、それらの平均値を代表値として採用している。
※歩行速度の二乗で標準化することで歩行速度の影響を考慮している
(すなわち、早く歩けば加速度が大きくなることを加味している)
リズムとは?
リズムとは、1歩行周期のリズムの一定さをいいます。
満点を100点とし、点数が大きいほど、歩行中の左右への揺れ少ないと評価します。
リズムの算出方法
リズムは、1歩行周期にかかる時間の標準偏差より算出します。
歩行周期ばらつき(秒)が値が小さいほど良く、先行研究によると、転倒経験のある高齢者は歩行周期ばらつきの値が大きい傾向があるようです。
歩行周期ばらつきが0の場合、リズム100点
歩行周期ばらつきが0.16の場合、リズム20点
参考値(自験データ)
若年群:0.03±0.02
高齢群:0.06±0.02
スコアリングの妥当性は担保されています
OLS:片脚立位
Functional Reach Test (FRT)
Berg Balance Scale (BBS)
10 m walking time
標準偏回帰係数(標準化係数β)
重回帰式における各変数の重要性を表す指標。大きい方が、目的変数に与える影響が大きい。
説明変数および目的変数をそれぞれ標準化した値から算出される偏回帰係数
t値:平均値の差/√分散/サンプルサイズ
t値が大きければデータの平均値が異なるといえる条件を満たす
tが大きいとpが小さくなり、p値が0.05を下回るくらい小さければ、t値は十分大きいといえる
p値:有意確率
pはtの関数
p=「本質的な差がないのに、偶然にtだけの差が出る」確率
Analysis of variance:分散分析
R2:決定係数
当てはまりの良さ。0〜1 で1 に近いほど当てはまりが良い
加齢による歩行能力の低下を検出
加齢による歩行能力の低下を検出できます
Cut off:カットオフ値
Specificity:特異度
Sensitivity:感度
ROC解析:Youden index(感度+特異度−1)が最大となるカットオフ値
ROC曲線下面積(AUC: area under the curve)
加齢による歩行能力の低下を判別するためのカットオフ値
※ 60歳代健康な方の速歩の目安
総合評価点数:78点
推 進 力 :75点
バランス :89点
リ ズ ム :83点