【歩行分析】8の字歩行テストとは?測定環境・方法とカットオフ値について解説

「8の字歩行テストを用いた歩行分析をしたい」
「8の字歩行テストの正しい測定方法を知りたい」
「8の字歩行テストのカットオフ値などを知りたい」

など、8の字歩行テストに関する詳細を知りたいセラピストは多いと思います。

8の字歩行テストは、10m歩行やTUGほど一般的ではありませんが、近年、臨床家や研究科の間で幅広く用いられている歩行能力テストです。

そこで今回、8の字歩行テストの測定方法やカットオフ値など、歩行分析での活用用法について解説致します。

8の字歩行テストとは?

8の字歩行テストとは、左右両回りのカーブ路を含み、椅子からの起立や椅子への着座を伴わない歩行能力テストです。

8の字歩行テストでは、直線路と左右両回りのカーブ路を用いることから、より日常生活環境に即した歩行能力を評価することができます。

また、椅子からの起立に困難を有する高齢者であっても対象となるので、幅広い能力レベルの患者さんにおける歩行能力を評価することができます。

広い測定空間を必要としないことか利点であり、歩行障害を有する高齢者や健常高齢者を対象とした研究で、その妥当性と信頼性(信用できるテストであること)が示されています。 

8の字歩行テストでわかること

8の字歩行テストは、5フィート(約1.5m)離れた2個のコーンの間を、普通の速さで8の字に歩行してもらい、1周に要した時間と歩数、滑らかさ(カーブ歩行の広がり度合い)を評価するテストです。

そのため、8の字歩行間における歩行時間、歩数、歩行の滑らかさがわかります。

8の字歩行テストのカットオフ値について

8の字歩行テストによって、歩行自立判断などのカットオフ値を示した研究は、現時点では見つけることができません。

しかし、年代別参考値や転倒との関連を示した報告がありますのでご紹介します。

溝田らの研究¹⁾にて、60歳以上の地域在住女性高齢者134名を対象に8の字歩行テストを実施した結果、所要時間および歩数に関して年代ごとに有意差が認められました。

一方、歩数と転倒の関連については、有意差は認められませんでした。

8の字歩行テストの測定準備

8の字歩行テストにおける実際の測定方法をご説明します。

測定方法が違うと、正しい値ではないという事態になってしまうので、正確な測定方法で実施することが大切です。

事前準備

事前に準備しておく必要があるのは、以下の通りです。

・最低2.5m×1.5m程のスペース(コーンを回る時の幅を考慮する)
・なるべく静かで邪魔の入らない環境

用意するもの

用意するものは以下の通りです。

・コーン2つ
・テープ
・メジャー
・ストップウォッチ
・ビデオカメラ(必要に応じて)

8の字歩行テストの測定方法

8の字歩行テストは、置かれたコーンの周りを歩いた所要時間と歩数を計測します。

■測定の流れ
1.1.5m離れたコーンを左右に見るように中央に立ちます。
2.検者の合図に合わせて8の字を描くように2つのコーンを回って出発点に戻ります。

まず、検者が説明をしながら実際に行ってみせ、対象者が方法を理解したことを確認した後に測定を行うことが必要です。

患者さんには、「どちらから回ってもかまいません。8の字を描くように歩き、最初の位置に戻ったら、両足を揃えて止まって下さい。」と教示します。

また、「普通の速さ」と「最大の速さ」の2通り行ってもらいます。

普通の速さの場合は、「普段歩く速さで歩いて下さい。」と教示します。

最大の速さの場合は、「走らずにできるだけ速く歩いて下さい。」と教示します。

所要時間をストップウォッチで測定し、歩数と滑らかさはビデオカメラで分析します。

8の字歩行テスト時の注意点

8の字歩行テスト時だけに限りませんが、まずは「転倒」に注意することが必要です。

特に最大歩行をしてもらう時は「走らないようにできるだけ速く歩いてください」と求めるため、患者さんは張り切って普段よりもバランスを崩しやすくなる可能性が高いです。

よって、リスク管理を徹底することは大切だと言えます。

また、測定環境と測定方法の違いによって、タイムに誤差があることも報告されています。

測定環境の違いは、床面の違いや雑音、温度や湿度時間帯など違いのことを示します。

測定方法の違いは、教示方法、ストップウォッチを押すタイミングなどの違いを示します。

つまり、これらの違いによって、差が出てしまうのです。

そのため、測定環境や測定方法をなるべく同じにして評価しなければなりません。

AYUMI EYEで簡単測定!

8の字歩行テストについてご紹介してきましたが、歩行の滑らかさの評価は主観が伴うため、8の字歩行テストだけでは、歩行の滑らかさを数値化することができません。

しかし、AYUMI EYEという機械を用いることで、その問題は解決することができます。

AYUMI EYEは、3軸加速度センサーモジュールとiPad(iPhone)専用アプリを用いて、歩行時の加速データに基づき歩行機能を「推進力」「バランス」「リズム」の3点から分析するデバイスです。

AYUMI EYEで歩行分析をすると、「リハビリ訓練の効果をわかりやすく説明したい」「歩行分析は観察項目が多すぎて評価がしずらいので、効率的に測定したい」「運動習慣を身に着けてほしい」などの課題を解決してくれます。

AYUMI EYEによる客観的で定量的な歩行分析は、転倒予防や健康寿命の延伸だけでなく、患者さんとのコミュニケーションを円滑にし、歩行へのモチベーション向上に寄与します。

AYUMI EYEは、どこでも簡単に測定することができ、アプリで結果を見ることができるので、とても便利なのが特徴です。

まとめ

8の字歩行テストの詳細な測定方法やカットオフ値、臨床での活用などをご紹介しました。

8の字歩行テストは近年多く用いられつつあり、日常生活に即した評価ができる万能テストなので、正しい測定方法をきちんと理解しておくことが大切です。

また、AYUMI EYEを用いることで、8の字歩行テストで得た結果だけでなく、さらに詳細な歩行能力を明示でき、歩行の滑らかさ等を数値化して分析することができるので、歩行の専門家として是非参考にして頂ければと思います。

 

【参考文献】

1)溝田勝彦.地域在住女性高齢者の F8Wmax の年代別参考値およびF8Wmaxと転倒との関連.Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol.5,No.1:15-18,2015 

2)溝田勝彦.最大努力下での8の字歩行テストの妥当性と信頼性.Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol.4,No.1: 1-6,2014

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