「歩くときに踵が痛いのはなぜ?」
「歩くときに踵が痛いと、どんな症状が出るの?」
「踵が痛い場合、どんな治療をすればいいの?」
という悩みを抱えていませんか?
踵が痛いのに歩かなければならないのは、本当に辛くて厄介ですよね。
近年、歩く時に踵が痛くて困っている方は多く、その原因には様々なものがあります。
あなたの踵の痛みの原因はどこにあるのでしょうか。
痛みの原因を知り、正しい治療を行うことは、痛みを長期化させないために重要です。
この記事では、歩く時に踵が痛い原因と、6つの症状、治療法についてまとめました。
踵が痛い原因は?
踵が痛い原因は何が考えられるのでしょうか。
ここでは、歩行時の踵が痛みで考えられる原因をいくつか挙げていきます。
思い当たる節はないかどうか考えながらみていきましょう。
体重の増加
太ることで体重が増加すると、当然、体重を支える足への負荷は大きくなります。
体重が増えると同時に、踵の骨や周辺組織も大きく強くなってくれたら良いのですが、残念ながら変わりません。
そのため、体重が増加すると踵への負担が増え、踵の痛みが生じることに繋がります。
靴が足に合っていない
外を歩く時はに必ず靴を履きます。
屋内では、スリッパを履く人もいるでしょう。
靴やスリッパの底の部分、つまりソールの素材や固さは、歩く時の踵の衝撃に対してとても重要な部分となります。
ソールの薄い靴や固い靴を履いていたり、靴を変えてから踵が痛くなったという人は、靴の影響が考えられるかもしれません。
ソールが厚すぎてバランスが不安定になるのは良くないですが、衝撃吸収力のあるソールだと踵への負担が減ります。
例えるなら、硬い椅子に座っているとお尻が痛くなってしまうのと同じです。
座布団を敷くことで、お尻の痛みは緩和されますよね。
靴のソールも適度な厚みと柔らかさが必要だと言えます。
歩き方が正しくない、踵に重心が移動している
歩く時、足にかかる荷重は踵から始まり、足の外側を経て親指で終わります。
足はアーチの構造があり、体重移動をスムーズに行うことができる仕組みになっています。
歩き方に異常が生じると、この体重移動の流れが崩れて不均衡になり、踵にだけ負担がかかって痛みが生じることがあります。
また、中高年者では歩く時に重心が後方になり、踵に重心が移動する傾向があります。
これは、年齢を重ねるに連れて姿勢が変化することが影響しています。
このように、歩き方や姿勢の異常は、踵の痛みを生じる原因となることがあるのです。
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主な踵に生じる病気6つ
踵に痛みが生じるのは、病気が原因の可能性もあります。
踵に生じる代表的な病気を6つご紹介していきます。
足底筋(腱)膜炎
足底筋膜炎とは、足の裏を走行している筋肉(腱)に炎症が生じて痛みが出る病気です。
踵の下側あたりに痛みを生じやすく、朝起きた時など長時間動いていなかった後に、最初に体重をかける瞬間に痛みが生じるケースが多いのが特徴です。
ハイヒールを履いて過ごしたり、長時間の立ち仕事の職業の方に多く、また、普段はあまり歩かないのに突然一日中歩くような状況になると痛みが出ることが多いです。
踵の骨の下側あたりを押して痛みが出る場合、足底筋(腱)膜炎の可能性が高いです。
坐骨神経痛
坐骨神経とは、腰の骨から太ももの裏へ走行する神経が収束した神経のことを示します。
坐骨神経は膝の上あたりまで収束した神経となっており、それより遠位は分散されて足の先まで通じている神経となります。
よって、坐骨神経が走行して支配する部位に痛みが生じることを坐骨神経痛と呼びます。
つまり、坐骨神経痛は、腰からお尻、太ももの裏側や側面、ふくらはぎ、足の裏まで、針でさすような痛みやしびれを生じる病気です。
坐骨神経痛の原因は、主に腰やお尻の骨の変形などで神経が圧迫されることが多いです。
坐骨神経痛かどうかを調べる検査として、「下肢伸展挙上テスト」があります。
仰向けに寝て、片方の足の膝を真っすぐ伸ばしたまま挙上した時(反対の足は床につけて伸ばしたまま)、通常は痛みなく80°くらい挙がるのですが、坐骨神経痛がある場合、太ももの裏側からふくらはぎい痛みが生じて足を挙げることができません。
踵骨骨端炎
踵骨骨端炎とは、成長段階の子供に起こる病気で、踵の骨(端と真ん中の境目あたり)に痛みを生じるのが特徴です。
通常、踵の骨は15歳くらいまで成長し、踵の骨と共に周囲の筋肉や腱も成長します。
しかし、活動量が多い場合(過度なスポーツをしたりなど)、周囲の筋肉や腱の発達が早く、未熟な骨に過度な負荷がかかってしまうため、炎症が生じてしまうのです。
踵骨骨髄炎
骨髄炎は骨の感染症のことを示し、踵の骨に生じた場合に踵骨骨髄炎と呼びます。
感染症であるため、踵の痛みだけでなく発熱や体重減少などが生じます。
原因は、手術などによる感染や、怪我をした組織からの感染が多いのが特徴です。
病院で検査を受け、早期の治療ができれば治りますが、慢性的になると長期的に患ってしまったり再発することもあります。
内服薬だけでは治まらず手術が必要となる場合もあります。
単発性骨嚢腫
単発性骨嚢腫とは、良性骨腫瘍のうちの1つです。
良性骨腫瘍とは、骨に生じる悪性ではない腫瘍のことを示します。
一般的に悪性の腫瘍で、転移して生命予後に関わることが多いことと比較すると、良性だから身体に無害というわけではないですが、転移する可能性や、切除などの手術後に再発する危険性も低いとされています。
単発性骨嚢腫は、踵などの単発部位に生じる良性の骨嚢腫であり、痛みが生じたり隆起が形成される場合があります。
レントゲンでは腫瘍の部分が空洞になっている状況がみられ、場合によっては手術が必要となることもあります。
踵が痛い場合は早期に病院へいこう
歩くときに踵が痛いのには様々な原因があり、場合によっては早期に治療をしなければいけない事もあります。
前述した6つの病気の中でも踵骨骨髄炎などは特に慢性化すると長引いてしまいますし、放っておくと重症化する危険もあります。
そのため早期に病院へ行き、適切な検査、診断を受けて治療を受けることが必要です。
専門家にみてもらって正しい治療を受けることが、痛みから開放される近道です。
テーピングで応急処置
足底筋(腱)膜炎の場合、テーピングで応急処置をすることで痛みが軽減します。
足はアーチの構造になっていて、その形に異常があると痛みが生じやすくなります。
例えばアーチの崩れによる代表的なものに扁平足がありますが、その場合のテーピングとしては踵が内側に倒れないようにテーピングすることが必要です。
逆に土踏まずが高い足の場合、踵が外側に倒れないようにテーピングする必要があります。
また、足の裏の踵の少し外側から親指の付け根辺りまでテーピングをすると、足底筋を伸張するストレッチ効果があります。
足底へのストレス負担が大事
踵が痛くなる原因についてご紹介してきたように、足底への負荷やストレスによってさまざまな疾患が生じることがお分かり頂けたと思います。
歩き方や姿勢、靴、体重などを見直すことにより足底へのストレス負担を減らすことが、踵の痛みを改善する方法です。
まとめ
歩く時に踵が痛い原因と、6つの症状、治療法についてご紹介致しました。
まずは、歩き方や姿勢、靴、体重変化について見直してみましょう。
それらを改善してもまだ痛みが残る場合は、テーピング処置をしてみましょう。
それでも尚痛みが軽減しない場合は、病院に行って早期診断、治療を受けましょう。