2022年6月16日
実際にAYUMI EYEを現場で導入いただいた、宝塚リハビリテーション病院の中谷先生に、AYUMI EYEを知っていただいたきっかけや、使用感、現場スタッフさまの感想など、インタビューを行いました。
はじめに宝塚リハビリテーション病院さまについて教えてください。
宝塚リハビリテーション病院は、医療法人尚和会に所属する施設です。
尚和会グループの中で、回復期病床を有したリハビリ専門の病院になります。
入院患者さまへのリハビリテーションはもちろん、通所リハビリテーションや、訪問のリハビリテーションも行っております。
歩いてすぐのところに、同じ尚和会グループの宝塚第一病院もあり、ここでもリハビリテーション科があります。
尚和会グループには老人保健施設が2施設あり、尚和会グループ全体として、急性期から生活期まで、幅広く患者さまのリハビリテーションを診させてもらうことを重視しています。
我々スタッフも1つの担当職種や科目だけではなく、本人の希望に応じてさまざまな患者さまに接することができるため、いろいろな体験や経験、知識を増やすことが出来る環境と思っています。
様々な医療機器の開発にも携わっていらっしゃるとのことですが、その理由とはなんでしょうか?
ここは回復期病院ですので、主に脳卒中の患者さまの機能回復や社会復帰に努めていますが、患者さまのリハビリには歩行能力を含めた基本的な動作能力の回復が非常に重要だと考えています。
その他にも回復期の病院ではより早く患者さま自身がしっかりと立って、歩いて、ご自宅に帰っていただくことが大事になってきます。その為に色々な機器を導入していく中で、医療機器の開発に携わっていて、機器を利用したリハビリテーションは一番力を入れているポイントでもあります。
AYUMI EYEを知っていただいたきっかけについて教えてください。
もともと脳卒中患者への歩行再建は従来から重要視していて、筋電図などの評価機器を使用していましたが、私たちの『評価の精度』を高めるもので臨床に活かせそうなものは色々と積極的に導入していた経緯があります。
その中でどのようにして歩行を「見える化」するのかということを重要視していたのですが、従来の機器ですと加速度計で歩行を測定しても解析に時間を要してしまい患者さまへのフィードバックがリアルタイムでできない問題がありました。
また、従来の加速度計ですと歩行分析の結果が波形で出てくる(「見える化」されていない)ので患者さまには理解が難しい状態でした。
私は患者さまに補助具やロボットを使用したときに治療効果としての歩行の変化をその場でフィードバックすることが「リハビリテーションの質」を高めるのに大事だと思っています。
その中で患者さまにもわかりやすく加速度計を用いた歩行分析の結果をすぐにフィードバックできる機器を探していたところ、インターネットで検索してAYUMI EYEに行き着きましてデモ機をお願いしたのがはじめのきっかけだったと思います。
導入の決め手となった理由は何でしょうか?
最大の決め手は、スタッフや患者さまより「使いやすい」「わかりやすい」という声が非常に多かったことです。
従来の加速度計で測定をしていたときは、やはり測定に一手間かかっていたため研究熱心な一部のスタッフのみしか使用できていない状況で、使用が限定されている状態でした。
多くのスタッフは歩行分析や歩行評価に興味があっても技術的な面や解析の手間などがあり、歩行分析をする前に越えなければならないハードルがいくつかあったのでスタッフの間でなかなか普及しませんでした。
しかしAYUMI EYEは、その場で測定結果が分かりやすく表示され、リハビリの効果をすぐお伝え出来るため、リハビリテーションの質を高める点でスタッフに馴染みやすかったのだと思います。
使い方も本当に簡単で、【①腰に装着する】【②測定開始ボタンを押す】【③歩く】この3つを行うだけで正確に測定ができるのがいいですね。
若手スタッフからベテランスタッフまで誰でも扱いやすいと感じています。
患者さまにとっても従来の加速度計では、数日前に測定したデータをあとで見せても「わかりにくさ」がありました。AYUMI EYEはすぐに測定結果が表示されバランスマップや総合評価点数などで「見える化」されていることで、患者さまも理解しやすくスタッフからの説明も非常にやりやすかったと感じています。
患者さまもフィードバックをすぐに聞けるので、理解しやすくご納得された上で次のリハビリに活かすことが出来るのではないかと思います。
どんなスタッフさまが1番利用されるのでしょうか?
1番よく使うのは、私と同じ理学療法士です。
ベテランから若手まで世代に関係なく使っている印象です。ベテランの多くの方は新しい機器が入ると及び腰になることが多いのですが、AYUMI EYEに関しては(世代間の)ギャップがなくどの世代のスタッフも使っています。
特に若手のスタッフは柔軟性があり、デジタル世代の新しいもの好きな傾向があるようなので、受け入れてもらいやすかったのではないかと思います。
ベテランでも拒絶反応なく使えるのは、今までの機器にはない特徴だと思います。
どのような患者さまに使用することが多いですか?
一番多いのは脳卒中の患者さまで、歩行トレーニングや介助歩行(動作を誘導する)のリハビリ効果の評価などで使用することが多いです。
当院が全て回復期リハビリテーション病床のため、半分くらいの入院患者さまは整形外科疾患かと思います。もちろん整形外科疾患の患者さまでも歩行測定、歩行分析は行うのですが、割合としては脳卒中患者さまに向けた利用機会が多いと感じています。
それには理由があって、加速度計であれば動画の評価と違い介助歩行でもスタッフと重なってしまっても数値で評価ができるため、介助歩行をする必要がある脳卒中の患者さまに適していて、歩行トレーニングの評価で使用することが多くなっている印象です。
患者さまへはどのようなタイミングでAYUMI EYEを使用されますか?
症例によって異なりますが、ロボット機器や装具などの道具の選択や患者さまの介助量や方法を決めるときに客観的な評価の一つとしてAYUMI EYEを使うことが多いです。
イメージとしてはただの定期的な評価というよりは、リハビリを次の段階に進めるための判断基準として使用している感じですね。
例えば、装具を付けているときと付けていないときで何が違うかを見極めるときによく(AYUMI EYE)使わせていただいています。
患者さまからの感想はいかがでしょうか?
「バランスマップ」がわかりやすいと好評いただいてます。
基本的に患者さまは色々な機器を付けるのを嫌がることが多いのですが、AYUMI EYEはモジュール一つを付けるだけで測定ができ、「バランスマップ」など「見える化」された指標があることで治療機器の効果やリハビリの効果を「バランスマップ」の形として患者さまも理解できるので凄くイメージしやすいようです。
リハビリの目的を達成するための過程を見る上で動画等に加えて「バランスマップ」のような形として経過を追っていけるコンテンツがあることで、患者さまも一緒に確認できるためリハビリのモチベーションを保つ上でも効果を発揮していると思います。
スタッフさまからの感想はいかがでしょうか?
「効果がわかりやすい」「扱いやすい」と好評です。
筋電図や歩行の動画などベーシックな評価をする中で、AYUMI EYEは「効果わかりやすい」のが特徴だと思います。
筋電図などの他の機器では患者さまの実感とはかけ離れていることも多いのですが、その点AYUMI EYEは(患者さまも)実感できる医療機器としてスタッフも「扱いやすい」のがとても好評な理由だと思います。
AYUMI EYEで今後追加してほしい機能や改善点などはありますでしょうか?
将来的な話にはなるとは思いますが、データベースとして様々な疾患で分けてデータの抽出ができ、参照できるようになればデータとして汎用性が出てくると思います。
例えば、脳卒中に罹患して3週間目の患者さまの歩行はどのような状態か?というようなデータが抽出してわかるようになれば学術的にも使用できる幅が広がると思いますし、点数もその条件が選択されたデータに合わせて見せ方(点数)が変更できるようになれば患者さまの満足度も使用頻度も今まで以上になると思います。
最後にAYUMI EYEをご検討されている施設さま、団体さまに向けて一言お願いします。
リハビリや歩行トレーニングの歩行分析でお悩みであれば、最初の入口としてもAYUMI EYEはおすすめだと思います。
私個人がセミナーや学会など、理学療法士のさまざまな先生方とお会いすることが多いのですが、よく歩行分析用の機器や器具の話題になります。
何にもない状態から歩行分析を始めるときに、まず動画やフリーソフトにて解析するなど、なるべくコストをかけずにすると思うのですがその次のステップとしてより臨床を豊かなものにしていこうと考えたときにAYUMI EYEは有用だと思います。
一歩進んだ歩行分析を臨床家にとっても患者さまにとってもより身近にするという意味で、AYUMI EYEの測定の簡便さやわかりやすさなどは大事だと考えます。是非一度、歩行分析でお悩みの方はデモ機の使用も可能ですので、試してみることをおすすめします。
高性能な機器は高額で、導入時や維持にコストがかかり、逆にコストを抑えようとすると扱いづらかったり、機能面に難が出て「本来やりたかったことができない」というようなことが稀にあるのですが、AYUMI EYEはデモ機を貸出いただけるので、お試しで使ってみる1台目としてはピッタリだと思います。
実際に患者さまへ使用し、患者さまからの感想に加え、スタッフからの意見や感想を伺ってから導入を判断されても遅くはないと思います。
【インタビュイー情報】
医療法人尚和会 宝塚リハビリテーション病院 療法部 研究開発部門長 中谷 知生 先生 認定理学療法士 (脳卒中・補装具・管理/運営・臨床教育) @ryouhoushi |