バランスマップとは
歩き方の傾向・癖をマップ化したものです。
バランスマップの見方
色が赤いほど、その方向に力が関わる時間が長いことを示しています。
全体の形状を見ることで力のかかり方の癖を観察することができます。
バランスマップはこう作られる
前後・左右加速度データの2次元等高線
全体の形状を見ることで、「身体の勢い」「力のかかり方」がどの方向に発生したかがわかる
※厳密には「重心の動いた位置の範囲」ではありませんが、ある程度相関はしています
正常歩行の変位・速度・加速度の軌道(単純モデル)
加速度の軌跡と歩行周期
①で右足を前に振り出すと、体は左へ傾く。この時加速度は前後方向で減速。
最も左に傾いた後、②で右足を接地。この時加速度は前後方向で加速。
重心変位、加速度ともに原点(静止状態)を最高速度で通過後、③で右足を振り出す。 最も右に傾いた後、④で左足を接地。
再び最高速度で原点を通過後、①に戻って右足を振り出す。以下繰り返し。
変位の軌跡と歩行周期
・最も重心が原点(静止時位置)に近付くのは両脚支持期の中間あたり。
➡︎ 右足接地→左足離地の途中と左足接地→右足離地の途中に原点を通る。
・最も重心が右に傾くのは、右足の立脚期の中間あたり(左も同様)。
➡︎ 右足接地→右足離地の途中に、最も右端の点を通る(左も同様)。
・最も重心が前方に傾くのは、遊脚期の初期(即ち離地の直後)あたり。
➡︎ 離地の直後に前方(上平面)を通る。
バランスマップ:健常者例
蝶々型
◯ 前方の方が後方より大きい ※後方が小さすぎるのもダメ
◯ 左右均等
◯ 前後左右の割合が過剰にどちらかに偏っていない(縦長・横長過ぎない)
※画像は見やすいように縮尺を自動調整しますので、他人と面積の大きさを比較せず、形の特徴をつかんでください
バランスマップ:歩行に問題がある例
すり足歩行
× 前方と後方が同じくらい
◯ 左右均等
◯ 前後左右の割合が過剰にどちらかに偏っていない(縦長・横長過ぎない)
勢いがなく前方へスムーズに加速できていない可能性があります。
※個人差あり
すり足歩行でも異なる特徴を示す方も多い
左片麻痺歩行
× 左側の前方が小さく後方が大きい
× 左右不均等
◯ 前後左右の割合が過剰にどちらかに偏っていない(縦長・横長過ぎない)
左脚が前方に振れず右側にばかり体重がかかっている可能性があります。
※個人差あり
片麻痺歩行でも異なる特徴を示す方も多い
ブレーキが強い
× 前方が小さく後方が大きい
◯ 左右均等
◯ 前後左右の割合が過剰にどちらかに偏っていない(縦長・横長過ぎない)
踵をついた時のブレーキが強く、そこから前方への加速がスムーズに行えていない可能性があります。
※個人差あり
ガニ股気味
◯ 前方 > 後方
◯ 左右均等
× 横長過ぎる(前後が小さい)
歩隔が広く、左右の重心移動が過剰でスムーズな前進が得られていない可能性があります。
※個人差あり