正しい姿勢歩行で蠕動運動を促進!!

腸活に大いに関係する「蠕動運動」(ぜんどううんどう)。

代表的な蠕動運動の低下につながるのは便秘です。

蠕動運動の低下にはさまざまな原因があり、起こりやすい人にも特徴があります。

今回は、蠕動運動の低下の原因や特徴についてご説明します。

また、蠕動運動を促す効果的な歩行方法についてもご紹介します。

身体のあらゆる箇所で行われる蠕動運動の働きを確認しながら、健康的な正しい歩行も身につけていきましょう。

蠕動運動の仕組み

蠕動は、消化管において起こる内容物の輸送運動です。

食道から直腸まで、すべての消化管で観察されます。

内容物を口腔から肛門の方向へ輸送することを原則とし、これを「腸の法則」と呼びます。

一方、蠕動と逆方向、すなわち、肛門から口腔の方向に輸送運動がみられ、これを逆蠕動と呼んでいます。

食道から小腸までの蠕動運動の働きについて、説明していきます。

食道の蠕動運動

前進を伴う収縮運動により、胃にむかって食物を滑り込ませ、下部括約筋の弛緩により、食物が胃に入るように調節されています。

この機能に障害が起こると、嚥下障害や胸の痛みがでます。

胃の蠕動運動

胃の中に食物が入ってくると、噴門から幽門にむかって蠕動運動が起こります。

このとき幽門はきちんと閉まり、胃底部から胃液が分泌され、蠕動運動によって食物がすりつぶされます。

小腸の蠕動運動

小腸を食物が通過する時、蠕動運動、分節運動、振子運動が行われています。

これらの運動を行うのは、小腸の外側にある縦走筋と内側の輪走筋です。

蠕動運動は内容物を大腸に向けて移送し、分節運動と振子運動は内容物と消化液を混ぜ合わせます。

分節運動が一定時間続くと、次に蠕動運動が起こり、蠕動運動が止むと分節運動が起きるというように、交互に運動を繰り返しながら内容物を移動させていきます。

この蠕動運動がうまく行われないと、食べ物を消化・吸収するのに時間を要したり、便秘の原因にもなります。

大腸の蠕動運動の低下による便秘

日本人の便秘の中で最も多いものが「弛緩性便秘」です。

弛緩性便秘とは、大腸の蠕動運動である腸管の口側が収縮し、肛門側が弛緩して便を先へ押し出していく働きを低下させます。

大腸の蠕動運動が低下することにより、大腸内の糞便通過時間が長くなります。 すると、水分が多く吸収されていき、結果的に便が固くなって、便秘が引き起こされます。

また、この排便を促す蠕動運動は、自律神経の働きとも大きく関わりがあります。

次に、蠕動運動の低下の原因と低下を引き起こしやすい人についてご説明します。

蠕動運動の低下の原因

蠕動運動の低下は、下記のように栄養面や運動面、精神面など総合的な要因が考えられます。

  • ・食物繊維の不足
  • ・腹筋が弱い
  • ・過剰なストレス

それぞれの原因と蠕動運動の関係について、確認していきましょう。

食物繊維の不足

食物繊維とは、胃や小腸で消化・吸収できない食べ物に含まれる繊維です。

食物繊維は、大腸で水分をたっぷりと含んで便の量を増やして腸壁を刺激し、蠕動運動を活発にします。

一方、不足していると腸内環境が悪くなり、便秘の原因になります。

腹筋が弱い

加齢などで腹筋の力が弱くなると、大腸は下がり気味になり、狭い腹腔に押し込められてしまいます。

すると、蠕動運動が起こりにくくなり、便秘が起こります。

特に、弛緩性便秘の場合は腹筋の力があると便を押し出しやすくなります。

そのため、便秘状態の解消には、腹筋を動かすことで腸に刺激を与えて、大腸の蠕動運動を活発化する必要があります。

過剰なストレス

緊張やストレスなどで交感神経が高まると、自律神経のバランスが乱れます。

すると、蠕動運動のバランスも乱れて、腸の働きが低下してしまうのです。

その結果、便秘など腸の不調につながります。

蠕動運動の低下を起こしやすい人

下記は、蠕動運動の低下が起こりやすい人の特徴です。

  • ・高齢者
  • ・やせ形の女性
  • ・長期臥床者
  • ・デスクワークが多い人
  • ・妊婦
  •  

などになり、筋力低下が共通点になります。

蠕動運動を促す歩行の役割

腸の蠕動運動を促すには、適度な運動が効果的です。

筋肉に刺激を与えることでお腹周りの血行が良くなり、胃や腸の働きを活性化します。

運動は、ハードなトレーニングは必要なく、歩行のような軽いエクササイズがおすすめです。

歩行動作は全身運動になるので血液の巡りが良くなり、腸の動きの促進につながります。

歩行は、汗を軽くかくくらいのスピードで、30分程度を目安に行いましょう。

また、歩行姿勢も猫背や前かがみでは呼吸が浅くなり、腸が圧迫されてしまいます。

姿勢を正すことで腸管がつぶされず、便の流れも良くなるため、目線を上げて背筋を伸ばし、ゆったりとした呼吸を保ちながら歩きましょう。

さらには、股関節から足を出すように意識していくと、骨盤底筋や腹筋が刺激しやすくなります。

その他、大股で歩くとかかとから着地し、後ろ足をしっかり蹴り出す歩き方ができます。

最初は、無意識で歩く時よりも、歩幅をプラス10cmほど広げる意識で始めてみましょう。

まとめ

今回は「正しい姿勢歩行で蠕動運動を促進!!」について説明しました。

現代人に多い蠕動運動の低下による便秘は、運動不足や骨盤のゆがみ、ストレスなどさまざまな原因がありますが、手軽に解消できる方法が正しい歩行です。

正しい歩行をより意識することは、蠕動運動に関係する骨盤や腸、筋肉を刺激していきます。

また、正しい歩行には現在の骨盤の位置や歩く際の身体の角度、足の踏み出しなど正確な評価や分析が効果的です。

AYUMI EYEでは、現在の歩行バランスや推進力、リズムをデータで見える化して、分かりやすく評価・分析していきます。

ぜひ、AYUMI EYEを活用しながら歩行バランスを安定させて、いつまでも健康的な歩行と腸活をしていきましょう。

 

  (参考資料)
・高野正太 – Ⅴ.慢性便秘症に対する食事療法,運動療法,理学療法
・タケダ漢方便秘薬 – 60代以降は便秘になりやすい!?その理由と行うべき対策は?弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)って?


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