ワイドベース歩行は言い換えると「歩隔の増加」です。
歩隔を広げることで、体幹のブレを収めて、バランスを取ろうとする代償動作になります。
主に、小脳の変性症や股関節や膝関節の障害によって起きる歩行です。
疾患のなかではワイドベース歩行を行うことにより、疼痛が軽減される症例もあります。
今回は、ワイドベース歩行について、詳しくご説明します。
また、ワイドベースとナローベースの比較もご紹介しますので、こちらの記事を歩行バランスの安定にお役立てください。
引用:https://youtu.be/KxCUJhXfdgM?si=MNcPOQJJaWX2nlZa
ワイドベース歩行の原因
ワイドベース歩行は、支持基底面が広がるため、姿勢や動作を安定させる働きがあります。
特に、歩行の際に重心のコントロールが難しい「運動失調」のある方が取りやすい歩行です。
運動失調がある方は、ワイドベース歩行をすることにより、側方へのふらつきを防ぎます。
しかし、側方の動揺を抑えるために、余計な筋活動が必要になります。
ワイドベース歩行を伴う「脊髄小脳変性症」について
運動失調のなかでも、特にワイドベース歩行になりやすいのが「脊髄小脳変性症」です。
脊髄小脳変性症は、主に小脳の神経細胞の変性により、酩酊歩行やワイドベース歩行などの症状が起こる病気です。
症状の進行は、病型ごとに傾向があり、およそ10〜15年かけてゆっくり進行します。
主にリハビリは、現存する運動能力の維持を長く維持する目的で行います。
なお、歩行リハビリでは、肩の脱力や膝の経度屈曲、ナローベースで歩く方法が有効です。
ワイドベース歩行へのアプローチ
次に、疾患に伴うワイドベース歩行へのアプローチ方法についてご紹介します。
「歩行スピードを上げる」と「杖や歩行器などを使う」の2点が有効です。
それぞれの詳細について、説明していきます。
歩行スピードを上げる
ヒトは、ゆっくり歩けば歩くほどバランスを取るのが難しくなるものです。
そこで、ワイドベース歩行の方は今よりも少し速度を上げることにより、身体の動揺を抑えていくことを目指していきましょう。
また、今までの研究では歩行速度が速い人は、遅い人より寿命が長くなることが分かっています。
いろいろとメリットが多いスピードを上げる歩行ですが、一人ひとりの体力や症状に合わせて段階的に行うことが必要です。
杖や歩行器を使う
歩行の際、一番気をつけなければいけないのが転倒への予防です。
そのため、安全に歩くことを考えると杖や歩行器など歩行補助具に頼ることは悪くありません。
特に、長距離歩行になると知らず知らずのうちに蓄積されていく疲労は、歩行バランスを崩す原因にもなります。
歩行の転倒リスクに合わせて、杖や歩行器を使用しながら、安全に歩く力を養っていきましょう。
ワイドベース歩行が有効な疾患とリハビリ
今までは、ワイドベース歩行になり得る疾患についてご説明しました。
次に、ワイドベース歩行により、症状軽減につながる可能性が高い疾患についてご紹介します。
それは、膝の障害で多くの方が痛みを訴えている「変形性膝関節症」や「半月板損傷」です。
両者の膝関節の症例に対して、ワイドベース歩行が疼痛軽減につながる調査が出ています。
調査ではワイドベース歩行で膝関節内反・外旋モーメントが減少しており、具体的には、軽く足を開く程度で約1割、さらに足を開くと約3割のモーメントの減少。
その結果、関節運動の制御で一定の効果がでることが示唆されています。
しかし、本調査では側方変位過多や足関節内反モーメント増大などのデメリットの要素も残しています。
ワイドベースとナローベースの比較
下記の表は、ワイドベースとナローベースの歩行の特徴をまとめています。
ナローベースは、ワイドベースと違い歩隔が小さくなる歩行です。
両者の特徴やメリット、デメリットを把握しながら、歩行バランスの安定やリハビリ向上につなげていきましょう。
表で示している通り、ワイドベース歩行は身体の動揺性は大きいですが、画一的で安定します。
しかし、ばらつきが大きく動的に不安定です。
一方、ナローベース歩行は、多様なパターンであらゆる方向に揺れやすい傾向です。
しかし、ばらつきは小さく、動的に安定している特徴があります。
まとめ
今回は「ワイドベース歩行の原因や疾患&ワイドベース歩行が有効な疾患とは!?」について説明しました。
ワイドベースの歩行リハビリや歩行バランスの安定には、推進力やバランスなどを細かく分析していく必要があります。
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(参考資料)
河原 常郎, 土居 健次朗, 大森 茂樹, 倉林 準_ワイドベース歩行の三次元的解析
安全性及び不安定性の持つ意味の再考
足の総合病院の先生が解説!「健康寿命」が伸びる歩行速度と健康状態セルフチェック法!
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