日々の健康管理に欠かせない「血圧管理」は、歩行の際にも役立ちます。
今回こちらの記事では、歩行の血圧管理の重要性について詳しく解説していきます。
また、血圧管理は歩行リハビリや高血圧の改善にも有用になるため、血圧管理をする際のポイントや注意点についてもご説明します。
ぜひ、この記事を参考に血圧管理をしながら健康的な歩行に役立てていきましょう。
引用元:OMRON 血圧データベース
歩行は高血圧の改善効果が期待
高血圧の改善や予防には、運動で血圧管理を行うことが有効です。
また、運動のなかでも歩行は体にかかる負担も少ないため、誰もが始めやすく続けやすい絶好の運動と言えるでしょう。
なお、歩行などの有酸素運動には、血管を広げて血圧を下げる働きをもつ一酸化窒素(NO)の分泌を促す効果が期待できます。
今までの研究でも、歩行を継続的に行うことで、最高血圧が3.5mmHg・最低血圧が2.5mmHg低下したという報告があるほどです。
また、高血圧患者においても、最高血圧が8.3mmHg、最低血圧が5.2mmHg低下した結果も挙げられています。
引用元:JA愛知厚生連 With Magazine \血圧管理していますか?/ 血圧のおはなし
引用元:関東百貨店健康保険組合けんぽだより <歩け歩け運動に参加しよう! Part2> ウォーキングの健康効果とは?
1日3000歩増やすと高血圧が大幅軽減!?
1日当たり歩数を3,000歩増やすことで、高齢者の高血圧患者の血圧が有意に低下する可能性を示した研究報告があります。
その研究とは、米コネチカット大学運動学分野のLinda Pescatello氏らが行ったものです。
座って過ごすことの多い肥満の方や過体重の高齢高血圧患者を対象に、適度な運動量の増加として1日当たり3,000歩を追加して課しました。
結果は、試験開始20週間後に対象者の収縮期血圧の平均値が137±10mmHg~130±11mmHgへ低下しました。
また、拡張期血圧の平均値も81±6mmHg~77±6mmHgへ有意に低下したのです。
なお、この研究グループが定めた1日当たりの追加歩数である3,000歩には理由があります。
それは、米国スポーツ医学会が健康維持のために推奨している1日7,000歩を達成できる可能性が見込めたためです。
引用元:認知症予防習慣 認知症予防コラム 1日3,000歩の追加で高齢者の高血圧を改善?
歩行リハビリで血圧管理を行う際のポイントと注意点
歩行リハビリの現場でも血圧管理が活躍しています。
次に、歩行リハビリを行う際の血圧管理のポイントや注意点についてご説明します。
- ・歩行距離、歩行速度を測定して行う
- ・Ⅲ度高血圧は運動前は医師と相談する
- ・低血圧に気をつける
- ・マンシェットで正確に測る
それぞれのポイントや注意点について詳しく見ていきましょう。
歩行距離、歩行速度を測定して行う
歩行リハビリは運動強度をしっかり設定しながら進めていくことが大切になります。
また、運動強度は歩行速度で推し量ることが可能です。
そのため、歩行距離に応じた歩行速度を定めて血圧を測定していくことは、歩行リハビリの精度を上げていくことにつながるでしょう。
Ⅲ度高血圧は運動前は医師と相談する
血圧は歩行などの運動により上昇することが考えられるため、もともと高血圧がある場合は、注意が必要です。
特に、Ⅲ度高血圧(診察室血圧180/110mmHg以上、家庭血圧160/100mHg以上)の場合は、運動開始前に服薬で血圧をコントロールしていく必要があります。
そのため、III度高血圧以外でも持病を持っている方は、運動する前に必ず医療機関で相談するようにしましょう。
引用元:厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
低血圧に気をつける
血圧は心臓のリスク管理から考えると、低すぎるほうが問題になります。
特に、歩行リハビリ前から元気がなかったり、覇気がなかったりする場合の低血圧は注意が必要です。
ただ、運動後に血圧が運動開始前より低値を示すことも良くあり、この現象は運動療法による血管拡張の効果になります。
そのため、低血圧が問題になるかどうかの判断としては、低灌流症状と合わせて行うことが重要です。
引用元:J-stage 運動療法時のリスク管理の要点 ―適切な運動療法によりアクシデントを防ぐ―
マンシェットで正確に測る
血圧をできるだけ正確に測定するために、マンシェットの位置を心臓の高さと同じにすることが重要です。
心臓より下だと血圧は高くなり、心臓より上だと血圧が低く出る可能性があります。
また、マンシェットをテーブルの上に載せるか載せないかでも変わってきます。
さらに、厚手の洋服の上から巻くと血圧は高く出る傾向があるため、気をつけましょう。
その他、上肢の動脈や腕橈骨動脈など動脈硬化に左右差がある場合には、左右で異なる値が出ることがあります。
その場合は、高い値が出るほうで常に測るように決めておくと良いでしょう。
まとめ
今回は「歩行の血圧管理の重要性!歩行リハビリや高血圧改善にも有用!」についてご説明しました。
歩行を継続していきながら血圧管理をしていくことは、高血圧の改善や歩行リハビリの精度を上げていくために有効です。
なお、歩行で血圧管理をしていく際には、歩行バランスや歩行リズムなどを細かく確認していくことが重要です。
もしバランスの乱れたフォームで歩行を続けていくと、心臓にかかる負担も強くなることが予想されるからです。
そのため、歩行を分析・評価していきながら歩行能力を高めていくことは、安定した血圧の管理につながります。
そこで、最後にご自身の歩行状態を簡単に見える化して確認できる「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価することができるデバイスです。
現在、医療機関や高齢者施設など数多くの分野で使われており、歩行リハビリや歩行能力向上に活躍しています。
ぜひ、歩行評価・分析を活用していきながら、血圧管理の有効性を高めていきましょう。
(参考資料)
OMRON 血圧データベース
A愛知厚生連 With Magazine \血圧管理していますか?/ 血圧のおはなし
関東百貨店健康保険組合けんぽだより <歩け歩け運動に参加しよう! Part2> ウォーキングの健康効果とは?
認知症予防習慣 認知症予防コラム 1日3,000歩の追加で高齢者の高血圧を改善?
厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
J-stage 運動療法時のリスク管理の要点 ―適切な運動療法によりアクシデントを防ぐ―
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