運動神経に障害が起こることで筋力が低下し、歩きにくくなることがある「糖尿病性神経障害」。
糖尿病性神経障害による歩行障害は、歩行などの運動療法が非薬物療法の一つとして期待が高まっています。
そこで、今回この記事では、糖尿病性神経障害による歩行障害の改善や予防につながるフットケアについて詳しくご説明します。
ぜひ、この記事を参考にしていただき、
歩行の能力向上にお役立てください。
糖尿病性神経障害による歩行障害について
糖尿病性神経障害は、糖尿病の合併症として最も多い神経に起こる障害です。
主に、感覚神経障害・運動神経障害・自律神経障害などの症状が現れます。
感覚神経に障害が起こると足先からのしびれや痛みなどが発生することで、歩きにくくなります。
また、運動神経に障害が起こると筋力が低下して歩行障害につながるため、足の健康を守るためにも早めの対策が必要です。
引用:糖尿病神経障害
糖尿病性神経障害のフットケアの重要性
糖尿病による神経障害のなかで、足に関わる合併症の一つとして足病変があります。
足病変は、足が傷つきやすく治りにくい特徴があるため、足の状態に合わせたフットケアを行うことが予防につながります。
次に、フットケアの方法や注意点について3つご紹介します。
1つ目は、普段から足に傷を作らないようにすることです。そのためには日頃から足の観察が大切です。
特に、長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察しておきましょう。
2つ目は、足の感染を防ぐために清潔を保つことです。
足を洗うときは石けんをよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗うなど、日頃から清潔を心がけましょう。
3つ目は、感染予防のために爪を切り過ぎないようにすることです。
もし、傷を作ってしまった際はすぐに医療機関に受診しましょう。
以上のような方法で足の予防に気をつけると同時に、足の機能改善として運動療法を取り入れていくことも大切です。
引用:フットケア
糖尿病性神経障害の予防には歩行がおすすめ
糖尿病性神経障害は、下肢機能の障害や動作障害へと発展することでQOLの低下につながるため、予防法が必要です。
そこで、糖尿病性神経障害における末梢神経の障害に対して、非薬物療法の一つとして期待が高まっているのが運動療法です。
特に、歩行などの有酸素運動は神経障害の兆候と症状を改善すると言われています。
また、歩行などの有酸素運動で期待されている効果は神経機能の改善だけではありません。
他にも、心肺機能や代謝機能の改善が見込まれるため、身体活動を習慣化することで血糖コントロールの向上にもつながります。
さらに、歩行などの有酸素運動に加えてレジスタンス運動を行うことも有効です。
レジスタンス運動により筋力や関節トルクを向上させることで、さらなる動作機能の改善効果が期待できます。
糖尿病神経障害の歩行変化の特性を知ろう
糖尿病神経障害の歩行変化の特性を知ることは、症状悪化の防止や歩行能力向上につながります。
主な糖尿病神経障害の歩行変化の特性には、下記のようなものがあります。
・歩行中のバランス不良
・歩幅の減少
それぞれの特性について詳しく見ていきましょう。
歩行中のバランス不良
糖尿病神経障害患者は、運動機能障害の一つとして膝伸展筋力の低下など、バランス能力の障害が見られます。
特に、総軌跡長や外周面積などのバランス能力指標に影響を与えることが多いようです。
また、このバランス障害については、神経障害による末梢の知覚鈍麻に起因することが推測されています。
糖尿病神経障害患者の膝伸展筋力の低下などによるバランス能力の障害は、転倒の要因にもなるため筋力アップが必要です。
歩幅の減少
糖尿病神経障害患者は、足関節周囲の筋力低下が起こりやすくなります。
特に、底屈筋群の筋力低下は歩行速度を低下させる影響が高いため、注意が必要です。
また、この歩行速度の影響は階段昇降の下り動作や坂道歩行では、さらに大きく現れることが予想されています。
そのため、あらゆる状況での歩幅の減少変化を観察していきながら、同時に推進力を上げる歩行訓練も必要です。
糖尿病神経障害の歩行特性の変化に対応する歩行分析
糖尿病神経障害における下肢末梢の感覚障害や筋力低下は、歩行特性の変化について十分に注意する必要があります。
特に、歩行自立度の観点から着目すべきは、歩行中のバランス不良と歩幅減少による転倒率の上昇です。
そのため、常に歩行中のバランス状態や歩幅の評価を行うことは、歩行安定性の確認や歩行自立の判断に大変役立ちます。
そこで、糖尿病神経障害の歩行特性の変化を詳しく把握していくために有用な方法になるのが歩行分析です。
歩行分析は、歩行状態をデータで詳しく観察できるため、歩行バランスの乱れや歩行偏りの変化を見逃しません。
また、歩幅は推進力をデータで観察できるため、歩行スピードの変化にも迅速対応できます。
その上、歩行分析は糖尿病神経障害の予防にもつながる有酸素運動の運動効果を高める上でも活躍できるでしょう。
まとめ
今回は「糖尿病性神経障害による歩行障害とフットケア」についてご説明しました。
糖尿病性神経障害の予防には日々のフットケアとともに歩行分析で機能改善と歩行特性の変化を観察していくことが大切です。
そこで、最後に歩行特性の変化が正確に分析できるデバイスである「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価することが可能です。
誰もが簡単に歩行分析ができるため、現在でも医療機関などでリハビリや病気再発予防などさまざまな目的で使われています。
ぜひ、歩行能力向上につながる歩行状態を分析していきながら、糖尿病性神経障害の予防や機能改善に役立てていきましょう。
(参考資料)
引用:糖尿病神経障害
引用:フットケア
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簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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