皆さんは足の左右差を感じることはありませんか?
人間の体は、足の左右差がでやすい生き物であると言われています。
また、足の左右差は歩行に影響を与える場合があり、臨床現場でも歩行観察の注目に重点が置かれています。
そこで今回、こちらの記事では足の左右差が出やすい原因や歩行に与える影響について詳しく説明していきます。
足の左右差をしっかり把握していきながら、いつまでも安全な歩行を目指していきましょう。
引用元:ザ・ビジネルモール 脚長差(足の長さが左右で違う)
人間の体はもともと左右対称ではない!
一般的に正常歩行とは、左右対称的な動作の繰り返しとも言われていますが、私たちの体は左右対称な動きがしづらい生き物です。
その理由としては、もともと人間は左右対称ではないからです。
具体的には、筋肉で言うと日常的に使う筋肉の使い方にばらつきがあったり、内臓を見ても肝臓は体の右側にあり、胃は左側にあったりします。
なお、病院で足の左右差を測るときに使われている「脚長差」では、保険診療の適応となる場合があるのは、3cm以上とされています。
つまり、3cm以上の脚長差があれば、何らかの歩行障害や体の不調につながることを示唆していると言えるでしょう。
また、実際に約9割の方が1cm以下の脚長差があると言われており、1.0cmの脚長差でも筋活動に有意差が見られることが報告されています。
そのため、骨や関節疾患のリスクを回避するためにも足の左右差の大小関わらず、評価・観察していくことが重要になります。
引用元:伊藤陵亮【整体×ヨガ×読書】 【左右非対称の身体】健康雑学
足の左右差は高齢者の転倒リスクに関係する!
足の左右差は目で見て感じるだけではなく、靴を履いている時にも分かることがあります。
例えば、片方の足だけ痛くなったり、引っ掛かりを感じたりするときは左右差があるかも知れません。
また、足の痛みや違和感がひどくなると、気をつけなければいけないのが転倒です。
特に、高齢者に多い転倒は単なる筋力低下だけが要因ではなく、足の左右差にも関係しています。
足の左右差がでることは、歩行をコントロールしていくめに必要である地面を両足指の握力でしっかり捉えることができなくなり、歩行バランスが崩れやすくなるのです。
今までの分析結果を見ても加速度計などの装置を体に付けた検査では、足の握力の左右差が20%以上あると歩行時の動揺が大きくなることがわかっています。
とりわけ筋力低下や関節の可動域がスムーズに動かしにくい高齢者にとっては、少しのバランスの崩れが大きなケガにもつながってしまいます。
そのため、歩く力を維持・向上していくためにも、足の左右差を整えていくことが必要です。
足の左右差がでてくる原因とは?
次に、実際に足の左右差がでてくる原因についてご説明します。
主な原因は、次の2点に分けられます。
- ・構造的脚長差
- ・機能的脚長差
それぞれ詳しく説明していきます。
構造的脚長差
構造的脚長差とは、主に下記のような骨格的な問題による脚長差のことを言います。
- ・片側に先天性股関節脱臼の既往がある
- ・大腿骨頸部骨折による骨の短縮
- ・膝関節の内反や外反
- ・変形性関節症など
また、感染症や外傷などによる四肢変形や四肢長によるものも挙げられます。
治療方針は、病態の把握をしていきながら、最終的な変形や脚長差の予測を行った上で決定していきます。
機能的脚長差
機能的脚長差は、骨盤や足部のズレなど下記のような原因が挙げられます。
- ・片側の寛骨の前傾・後傾
- ・骨盤側方の傾斜
- ・股関節内転筋群の短縮
- ・片側の凹足
- ・過剰な回内など
また、上記の要因が重なることで、特に「扁平足」や「外反母趾」が足の左右差の原因になりやすくなります。
扁平足や外反母趾は、時間をかけて少しずつ足を変形してしまい、左右差を生じてしまうのです。
さらに、機能的脚長差は癖や姿勢による悪習慣や利き足にかかる負担など、日常生活に原因が多くあります。
足の左右差を調整していく2軸歩行
引用元:total body care Sorriso あまほり整体院 二軸歩行の解説
特に、機能的脚長差の歩行リハビリに有効とされているのが「2軸歩行」です。
2軸歩行は、腰幅を保って足を踏み出す歩き方で、利き足に頼りすぎる方や日頃の癖で片側の足に重心がかかりやすい方の改善方法に役立ちます。
なお、2軸歩行はシンプルな歩き方ですが、歩行癖が習慣になっている方にはうまくできない場合があります。
2軸歩行ができにくい方に多いのが「膝のズレ」「足の角度のズレ」です。
そのため、膝や爪先の角度を評価・修正していくことが必要になります。
次に、膝と足の角度のズレの原因や対策について、それぞれ詳しく説明していきます。
膝のズレの原因と対策
膝が内側に入ることがある方は、中殿筋がうまく使えないことが多く、お尻が外にブレる歩き方をしてしまうため、2軸になりにくい傾向があります。
そのため、膝が内側にズレやすい方は、膝を小指側に動かす意識をしながら歩行してみましょう。
逆に、膝が外にズレる方は、膝を親指側に動かすように意識すると良いでしょう。
足の角度のズレの原因と対策
足の角度のズレは、足を設置した時の爪先の角度がズレることを指します。
一般的には、進行する方向に対して足の角度が外に10度前後開いた状態が正常。
0度以下であれば内股、20度以上であれば外股と判断されています。
もし、爪先の角度に偏りがある場合は、5本の足の指にバランス良く力が入っておらず、安定性も悪い状態と言えるでしょう。
また、安全性が悪い状態では、足の部分的な負荷の集中を招いてしまい、筋肉痛を起こしやすくなります。
さらに、足首が捻じれたりすることで関節痛を起こしてしまう危険性もあります。
そのため、日頃から爪先の角度を10度前後に保つことを心がけて歩いていきましょう。
引用元:山と渓谷オンライン 左右にバランスを崩さず歩くために必要な2軸歩行。 ――安全に、疲れずに歩くコツ
まとめ
今回は「足の左右差で歩行に与える影響とは?」についてご説明しました。
足の左右差は構造的と機能的の原因があり、左右差によっては体の不調にもつながります。
そのため、膝や爪先の角度のズレなどを修正していきながら、2軸歩行など負担がかからない歩き方を習得していくことが必要です。
また、正しい歩き方を習得していくためには、現在の歩行バランスやリズムなどを評価・分析していくことが重要な要素になります。
そこで、歩行評価に最適なデバイスである「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な推進力・バランス・リズムの3点を正確に測定・評価できるため、足の左右差で負担がかかっている歩行の修正にも役立ちます。
ぜひ、日頃から足の左右差を評価・修正していきながら、いつまでも安心して歩ける力を身につけていきましょう。
参考URL:
四肢再建・骨延長外科(四肢変形、四肢長不等(脚長差))
足の左右でサイズが違う!?なぜ足のサイズは左右で違うの?
左右の脚の長さが違う?!“脚長差”について
脚の長さコーディネーター®とは
本多裕一 補高による脚長差歩行時の股関節周囲筋活動に関する一考察.理学療法学 Supplement,2009,A3O3009
高齢者の転倒を予防する鍵は、筋力の左右バランスにあり!?
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
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