妊娠中の歩行は持久力向上などさまざまな効果がありますが、妊婦特有の歩き方を把握した上で正しい歩行を習得することが重要です。
そこで、今回こちらの記事では、妊娠中の歩行の特徴や注意点について詳しくご説明します。
また、妊娠中の正しい歩行習得のために効果的な歩行分析についてもご紹介します。
ぜひ、こちらの記事を参考にしながら、安産や産後の回復につながる歩行能力の向上を目指していきましょう。
妊娠中は歩行が良い理由
妊娠中の運動に関しては、心や体の健康を維持する効果があることがすでに研究で発表されています。
その研究とは、富山大学と横浜市立大学の共同研究グループが行った調査です。
調査内容は、妊婦さん約8万6千人を対象に身体活動量を評価し、早産や分娩方法の影響について調べました。
その結果、妊娠前の身体活動量は早産や分娩方法に影響を与えないことがわかりました。
しかし、一方で妊娠中の身体活動量は、早産や分娩方法に影響を与えることが明らかになったのです。
なお、早産や分娩方法への影響に関しての運動強度は、1週間に8〜23Mets・時程度が推奨されています。
この1週間に23Mets・時程度とは、毎日約60分の歩行もしくは同等の運動になります。
そのため、妊娠中に歩行を行うことは、体調に合わせて自分のペースで身体活動量が増やせるおすすめの運動と言えるでしょう。
(引用;妊娠中の身体活動量が非常に少ないと、早産のリスクが増す)
妊娠中の歩き方の特徴
次に、妊娠中の歩き方の特徴をご説明します。主に、妊婦の歩行には下記のような特徴があります。
・体全体が前のめりになる
・足裏アーチの負担増加
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
体全体が前のめりになる
妊娠中は体の重心が変わるため、歩き方が変化します。
通常は、歩くときに体重がかかとから足の親指の付け根に移動しますが、妊娠中はお腹が大きくなることで変わります。
おへそが徐々に体幹から離れていき、前に倒れそうな感覚になるのです。
そうなると、歩く際に親指の付け根に体重がかかるため、体全体が前のめりになってしまいます。
足裏アーチの負担増加
妊娠中は次第に体重が増えることで、足裏のアーチにかかる負荷も劇的に増えていきます。
また、妊娠中は靱帯を緩める働きをするリラキシンというホルモンが分泌されます。
そのような影響から足のアーチが崩れて伸びてしまい、足が広がりやすくなるのです。
さらに、このような状態が続くことで体に余分の負担がかかると、産後も足のアーチが元に戻りにくくなってしまいます。
妊婦に多い足の症状
妊婦に特に多い足の症状があるため、確認していきましょう。
妊婦に多い足の症状については、2020年5月11日付の医学誌「PM&R」で発表されています。
PM&Rでは、複数回妊娠したことのある女性は「過回内足」になりやすいとのことです。
また、妊娠女性の足によく起こる問題の一つとして「足底腱膜炎」が挙げられています。
足底腱膜炎は、足の裏に沿って走る靱帯のような足底筋膜に起こる損傷です。
原因は、結合組織の緩みや足の筋肉の低下などで起こるふくらはぎの硬化や、妊娠による体重増加と言われています。
さらに、妊娠中はホルモン値の急上昇で関節も緩くなるため、きつい靴を履いていると「外反母趾」にもなりやすい傾向です。
そのため、妊婦に多い足の症状を予防する上でも、妊娠中の歩行はくれぐれも注意して行うようにしましょう。
(引用;妊娠中に足が大きく変化して元に戻らない場合も、何が起きている? 予防策は)
妊娠中の歩行の注意点
妊娠中の歩行は、下記のようなことに注意しながら行いましょう。
・歩行の目安
・正しいフォーム
・つわりの程度を観察する
それぞれの内容を詳しくご説明します。
歩行の目安
アメリカ産婦人科学会によると、妊娠中は週に最低150分の歩行など中強度の有酸素運動をすることが推奨されています。
その際には、会話ができるくらいの歩行ペースで1分間に120歩程度行うことが目安とされています。
また、一度に長時間歩かなくても、10分程度の歩行でも毎日行うことで効果が期待できるとのことです。
なお、この目安となる時間は妊娠前から運動をしていた人とそうではない人では異なります。
そのため、目安時間は参考程度に留めておきながら、自分が心地良いと感じる時間で歩くようにしましょう。
(引用;【助産師執筆】妊娠14週妊娠中はどのくらい動いていいの?妊娠中の活動や運動についてお答えします)
正しいフォーム
正しい歩行フォームの習得は、妊娠中に関わらず大切な要素になりますが、特に妊婦には重要です。
正しいフォームで歩く習慣を身につけておくことは、安産や産後の回復にもつながります。
次のようなことを意識して正しい歩行を目指しましょう。
・背筋を伸ばして歩く
・顎を引く
・目線は数メートル先を見る
・肘は90度くらい曲げて脇を閉める
・腕を大きく前後に振るようにする
・かかとから着地する
また、正しい姿勢を保ちながら歩くと、自然に骨盤周りを支える筋肉を鍛えることも可能です。
つわりの程度を観察する
妊婦が歩行の際に最も重要なことは、自分の体調をよく観察することです。
特に、妊娠初期に散歩を行う際には、つわりの程度を観察することが大切です。
妊娠初期にはつわりが起こることが一般的になるため、つわりが軽度であれば歩行を積極的に行うと良いでしょう。
歩行により、体調を整える効果やつわりの症状軽減効果が期待できます。
一方、つわりがひどい場合や妊娠の合併症がある場合は、歩行をする前に必ず医師に相談しながら行うようにしましょう。
(引用;妊娠初期に散歩をしてもよい?散歩のメリットと注意点を解説!)
まとめ
今回は「歩行分析で妊婦さんの健康管理!」についてご説明しました、
妊娠中の歩行は健康管理やリフレッシュ効果があり、安産や産後の回復にも役立ちます。
そのため、妊娠中の歩行の特徴を把握しながら、正しい歩行を心がけましょう。
最後に、妊娠中の歩行状態を正確に分析し、正しいフォームに導くデバイスである「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価できます。
歩行状態が簡単に見える化で確認できるため、妊婦の歩行の特徴が把握できる上に正しい歩行の習得へと導きます。
ぜひ、妊娠中の健康管理を支える歩行分析を活用しながら、安産や産後の回復につなげましょう。
(参考資料)
引用;妊娠中の身体活動量が非常に少ないと、早産のリスクが増す
引用;妊娠中に足が大きく変化して元に戻らない場合も、何が起きている? 予防策は
引用;【助産師執筆】妊娠14週妊娠中はどのくらい動いていいの?妊娠中の活動や運動についてお答えします
引用;妊娠初期に散歩をしてもよい?散歩のメリットと注意点を解説!
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