歩行障害が起こるサルコペニアとは?有効なリハビリ方法もご紹介!

高齢者の健康寿命を考える上で重要な疾患とされているサルコペニア

サルコペニアは、一定以上に進行すると転倒や要介護状態などのリスクが高まるため、予防が必要です。

そこで今回、こちらの記事ではサルコペニアについて詳しく解説していきます。

サルコペニアの歩行障害や歩行リハビリの方法も説明しますので、ぜひこの記事をご参考にしてください。

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、加齢に伴う筋肉量の減少と筋力低下を指します。

また、症状がひどくなると骨折から寝たきりにつながる可能性も高くなるため、注意が必要です。

なお、サルコペニアは歩行速度を含めた「身体能力」を含めた次の3段階に区分されています。

現在、日本では65歳以上の健常高齢者におけるサルコペニアの有症率は、男女とも20%ほどです。

高齢者に多くみられるサルコペニアですが、40代以降でも体を動かす習慣のない人は発症する可能性があります。

引用元:公益財団法人 女性の健康とメノポーズ協会 40代から女性が陥りやすい筋力低下。「サルコペニア(筋肉減少症)」は、ふくらはぎの太さで測れます
引用元:健康長寿ネット サルコペニアの診断

サルコペニアの症状と歩容

サルコペニアは、以下のような症状が見られるようになります。

  • ふくらはぎが細くなる
  • 握力がなくなってくる

また、歩行でも下記のような歩容状態になります。

  • ・歩くスピードが遅くなる
  • ・何もないところで頻繁につまずく
  • ・転倒しやすくなる
  • ・階段をのぼる途中で足が上がらない

そのため、安全な歩行状態を保つことが難しくなります。

引用元:健康長寿ネット 転倒とサルコペニア

サルコペニアのセルフチェック

サルコペニアは、自宅でも下記の方法でセルフチェックをすることができます。

  • 立ち上がりテスト
  • 歩行速度テスト
  • 握力テスト
  • 片足立ちテスト
  • ふくらはぎの指輪っかテスト

それぞれのチェック方法について、内容を確認していきましょう。

立ち上がりテスト

立ち上がりテストは、手を胸に当てた状態で立ち座りを繰り返し、30秒間で立ち上がった回数を測ります。

なお、14回以下の場合は転倒リスクの危険性が高まります。

歩行速度テスト

歩行速度テストは、立ち上がりテスト同様に、筋肉の機能低下をチェックする方法です。

このテストは、歩行能力を図るためにも重要です。

方法は、5m歩行テストを2回測定し、1度目はいつも歩いているように歩いて、2度目はできるだけ速く歩きます。

その結果、2回の歩行テストで5秒より遅い場合はサルコペニアの可能性が高くなります。

握力テスト

握力は、全身筋力の目安になるテストです。

サルコペニアの簡易判定法においては、握力が男性30kg、女性20kg未満がサルコペニアの可能性が高くなります。

片足立ちテスト

腰に手を当てた片足立ち状態で、60秒間のうち何秒立っていられるかを測る検査です。

なお、20秒以下の場合は転倒のリスクが高いとされています。

また、5秒未満の場合は、3年以内に医療処置の必要な転倒が起きるリスクが2.13倍高くなると言われています。

ふくらはぎの指輪っかテスト

ふくらはぎの指輪っかテストは、特別な道具を使わずに筋肉量の測定が可能です。

方法は、両手の親指と人差し指で輪っかを作ってから、利き足でない足のふくらはぎを作った輪っかで囲みます。

その際、囲んだふくらはぎと指の間に隙間ができた場合は、筋肉量がかなり減っているため、サルコペニアのリスクが高くなります。

なお、筋肉量の減少の目安としては、下腿囲が30cm未満です。

引用元:朝日新聞 Reライフ.net サルコペニアとは? 今からできる予防と対処法について作業療法士が解説
引用元:再春館製薬 サルコペニアの診断基準は3つ!自宅でできるセルフチェック方法も解説 自宅でできるサルコペニアのセルフチェック方法

サルコペニアに有効な歩行リハビリ

次のような高齢者は、加齢による歩行速度の低下率が小さいことが研究結果でわかっています。

  • 筋力アップ
  • バランス能力向上
  • 手指機能が高い

この結果は、サルコペニアの症状である歩行速度の低下を改善する有効な歩行リハビリにつながります。

なお、歩行速度の維持・向上には筋力やバランス能力が必要です。

また、手指機能を保つためには上肢活動が重要です。

これらの機能を評価・分析していきながらリハビリを進めていくことが、さらなる有効なリハビリに変化していきます。

引用元:J-Stage サルコペニアとリハビリテーション

サルコペニアの予防

歩行速度の低下がみられるサルコペニアを予防するには以下のことが有効とされています。

  • ・基本的な移動機能向上
  • ・下肢や体幹の筋トレ

特に、姿勢を保つために抗重力筋体幹の安定に関わる筋肉を鍛えていくこと効果的です。

なお、高齢者には中等度のレジスタンス運動やエアロビック運動を始めてみるのも良いでしょう。

高齢者におけるレジスタンス運動やエアロビック運動は、骨格筋蛋白合成速度が増加することが研究でわかっています。

引用元:健康長寿ネット 高齢者の歩行能力と病気の関連

まとめ

今回は「歩行障害が起こるサルコペニアとは?有効なリハビリ方法もご紹介!」についてご説明しました。

サルコペニアの予防には、歩行速度や歩行バランスの向上は欠かせない要因になります。

そのため、加齢に伴う体の変化を観察をしていくことは、安全な歩行を続けていくためにも重要です。

そこで、最後に毎日の歩行バランスや歩行速度の分析に役立つ「AYUMI EYE」をご紹介します。

AYUMI EYEは、歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価することができるデバイスです。

現在の歩容を正確かつ簡単に確認できるため、サルコペニアの予防に貢献します。

ぜひ、有用な歩行評価・分析を活用していきながら、サルコペニアの予防をしていきましょう。

 

(参考資料)
公益財団法人 女性の健康とメノポーズ協会 40代から女性が陥りやすい筋力低下。「サルコペニア(筋肉減少症)」は、ふくらはぎの太さで測れます
健康長寿ネット サルコペニアの診断
健康長寿ネット 転倒とサルコペニア
朝日新聞 Reライフ.net サルコペニアとは? 今からできる予防と対処法について作業療法士が解説
再春館製薬 サルコペニアの診断基準は3つ!自宅でできるセルフチェック方法も解説 自宅でできるサルコペニアのセルフチェック方法
J-Stage サルコペニアとリハビリテーション
健康長寿ネット 高齢者の歩行能力と病気の関連


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