歩行能力向上に寄与する感覚フィードバック!

私たちは、歩行の際に脳がその行動を安全かどうか判断し、危ないと感じたときは修正や制御行動をして安定した歩行を可能にしています。

その際、歩行における継続動作のなかで、正しい運動学習を身につけるために貢献しているのが

「感覚フィードバック」です。

この感覚フィードバックは、運動軌道の修正を行うために、私たちの活動に非常に重要な働きをしています

今回、こちらの記事では、歩行の運動軌道の修正や制御行動を行う役割がある感覚フィードバックについて詳しくご説明します。ぜひ、この記事を参考にしていただき、歩行能力の維持・向上にお役立てください。

感覚フィードバックとは?

 

私たちは、歩行など運動を行う際に各種の感覚器が入手したパフォーマンス情報を感覚フィードバックとして利用しています。

この感覚フィードバックに用いられる感覚神経系は、主に「視覚」「前庭感覚」「体性感覚」のシステムによって構成されています。

下記の表は、それぞれの感覚神経系の主な働きについてです。

また、この感覚フィードバックの役割の一つとして重要になるのが、歩行時における運動制御機能です。

感覚フィードバックを行うことで、歩行時のバランスやリズムなどの誤差検出を行い、軌道修正を行うことが可能です。

引用:運動学習における感覚系の役割

引用:体性感覚の評価とエクササイズ

歩行バランス維持に寄与する感覚フィードバック


歩行時に貢献する感覚フィードバックについて、身体バランス制御の機能について検証した研究があります。

その研究では、若年者から高齢者まで幅広い世代を対象に、トレッドミルを用いて体性感覚による身体動揺性について検証しました。

検証内容は、検証者の歩行中に右手人差し指を非常に軽いライトタッチで固定点に軽く触れ続けるように指示し、身体の動揺性を確認しました。

すると、検証者の歩行中における身体動揺性が有意に少なくなったのです。

この結果は、非常に感度が高い手の指先触覚によるフィードバック情報が歩行バランスの安定に役立つことを明らかにしています。

引用:固 有 感 覚 系 フ ィ ード バ ッ ク情 報 によ る歩 行 バ ラ ン ス向 上 効 果 の 検 証~神経生理学的観点による転倒予防を目指して~

歩視覚・聴覚のフィードバックによる歩行能力向上

歩行などの姿勢制御にかかわる感覚入力に働くのは、主に視覚、前庭感覚、体性感覚があります。

そのなかでも、視覚的フィードバックは、運動学習動作の誤差情報を学習者に容易に提示できる練習方法として使われています。

なお、今までの視覚的フィードバックを用いた練習は、静的バランスを課題としたものが多くありました。

そのため、歩行中のような動的バランスの提示に関する報告は極めて少ない傾向です。

この動的バランスの検証が少ない理由は、提示方法がセラピストや練習機器の特性に委ねられていることが背景にありました。

しかし、最近の研究では歩行不安定性の指標である変動係数を改善して検証を実施。その結果、改めて視覚フィードバックが歩行能力向上を認めたことがわかりました。

また、視覚フィードバックに加えて聴覚のフィードバックを加えると、視覚入力や体性感覚などが改善することも明らかになっています。

さらに、聴覚フィードバックを加えることは、姿勢制御能力の向上に寄与する可能性も示唆されています。

引用:聴覚フィードバックを利用した運動療法により歩行時の姿勢制御能力が改善した症例

引用:視覚的フィードバックによる提示方法の違いが歩行の運動学習に影響した一症例

高齢者の転倒防止に貢献する感覚フィードバック

現在、歩行における立位バランス低下は、高齢者の転倒を惹起する大きな生理学的要因の一つとして問題になっています。

そのため、高齢者の転倒防止策として立位姿勢の保持機能の維持・向上を検証していくことは必要不可欠です。

そこで注意しなければいけないのが、加齢による各感覚器によるフィードバック制御の機能低下です。

なぜなら、立位姿勢の保持に関しては、重心動揺に適応した抗重力筋のトルク発揮というフィードバック制御で行われているからです。

フィードバック制御の機能低下は、重心バランスが崩れることで転倒につながります。

そのため、高齢者の立位バランス改善を目的とした感覚フィードバックを用いた練習方法は転倒防止策として有効になります。

まとめ

今回は「歩行能力向上に寄与する感覚フィードバック!」についてご説明しました。

私たちは無意識のうちに、さまざまな感覚器のフィードバックによる情報によって安定した歩行が遂行されています。

そのため、感覚器のフィードバックが正常に行われているか確認するためにも、日々の歩行状態を観察していくことは重要です。

そこで、最後に現在の歩行状態が正確に確認できる「AYUMI EYE」をご紹介します。

AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を測定・評価することができるデバイスです。

簡単かつ正確に歩行状態が分析できるため、現在医療機関や高齢者施設など数多くの分野で使われています。

ぜひ、あなたも歩行能力向上と感覚フィードバックの確認にも役立つ歩行分析を活用しながら、健康的な体作りを目指していきましょう。

 

(参考資料)

引用:運動学習における感覚系の役割

引用:体性感覚の評価とエクササイズ

引用:固 有 感 覚 系 フ ィ ード バ ッ ク情 報 によ る歩 行 バ ラ ン ス向 上 効 果 の 検 証~神経生理学的観点による転倒予防を目指して~

引用:聴覚フィードバックを利用した運動療法により歩行時の姿勢制御能力が改善した症例

引用:視覚的フィードバックによる提示方法の違いが歩行の運動学習に影響した一症例


歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析

AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。

バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。

測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。

簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。

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歩行推進力とその改善方法
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歩行推進力とその改善方法 著者:佐藤洋平(EHA監修)
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