
年齢を重ねるうちに膝への負担を感じる方は多く、階段の乗り降りで膝を痛めてしまうケースも少なくありません。
そのような方には、歩き方のコツと正しいフォームを意識することで膝の痛みを改善する方法があります。
そこで、今回こちらの記事では、階段歩行のコツと昇降時の正しいフォームについて詳しく解説していきます。
この記事を参考にしていただき、膝に優しく疲れにくい階段歩行を身につけていきましょう。
膝の痛みのなかで最もつらい階段歩行
厚生労働省の過去のデータでは、膝の痛みのある約半数が40代〜50代で痛みを感じ始めていることがわかっています。
また、膝が痛くてつらいのは、階段の上り下りが最も多く、半数以上を占めているほどです。
しかし、膝の痛みに対しての対処法は、病院で治療を受けると回答した方は約30%のみです。
それ以外は、安静もしくは我慢する方が35%で、ほとんどは具体的な対処法を行っていないことになります。
そのため、多くの方が膝の痛みを感じている階段歩行について、原因を理解して正しい対処法を身につけていくことが必要です。
(引用;数字で見る関節の痛み)
階段歩行で膝が痛くなる原因
次に、階段歩行で膝が痛くなる原因についてご説明します。
私たちが階段を降りる動作は、自分の体重を足でコントロールしなければいけません。
しかし、階段の上り下りは体重の6〜8倍の力が加わると言われています。
これは、平地を歩くときの体重の2〜3倍と考えると、相当の体重がかかっていることがわかります。
また、階段を降りる際には膝を曲げて体重をかけるため、太もも前後の筋肉をバランスよく使うことが大切です。
しかし、膝の前側に痛みがでる場合は、太もも前側の筋肉を使いすぎているため、膝のお皿付近に負担がかかってしまいます。
(引用;階段を降りるときにひざが痛い場合の理由)
階段歩行のコツ
次に、階段の昇段動作と降段動作のそれぞれのコツをご紹介します。
登り方と降り方、それぞれのコツを確認して、膝に負担のない歩き方を身につけましょう。
登り方
階段を上るときのコツは、踵を意識することです。多くの人は階段を登るときに、階段の角に足裏の中ほどをつけて、踵が下がった状態になります。
しかし、このような状態では太ももの前やふくらはぎに負担がかかってしまいます。また、脚が太くなりやすい要因にもなるのです。
そのため、階段を登るときは、踵は落とさず、足首の角度をキープするイメージを持ちましょう。
その際、腕をしっかり後ろに引くことができれば、体の連動性が生まれて骨盤を使うことができます。
そのような登り方ができるようになると、膝の負担が軽減される上にヒップアップにもつながります。
(引用;階段を使ってスタイルアップ!正しい上り方・下り方のポイントは?)
降り方
階段を下りるときは、膝とつま先が一直線になるように意識して、真っ直ぐ出すようにしましょう。
逆に、つま先と膝が真っ直ぐ出ていないと、膝を痛める可能性が高くなります。
また、膝にかかる衝撃を分散させるため、膝を軽く曲げて着地しましょう。
なお、階段を降りる際に手すりを利用する場合は、手すりを持たない腕は、脚の動きに合わせて自然に振るように意識しましょう。
そうすることで、体全体がスムーズに動きやすくなるため、足を楽に運ぶことができます。
(引用;階段を使ってスタイルアップ!正しい上り方・下り方のポイントは?)
歩行能力を上げて効率よく階段を昇降する方法
階段の昇降は歩き方を工夫することで、歩行能力を上げることが可能です。
そのためには、今の姿勢を改善しながら正しいフォームを習得することが大切です。
通常、階段の登りで膝を痛めてしまう人は、姿勢が前傾になりやすい傾向にあります。
この状態では、重心ラインが前方にシフトしてしまいます。
すると、頭と上半身を支えている股関節や膝関節周辺の筋肉への負担が増加してしまうのです。
また、階段をダラダラと登ったり、むやみに駆け上がったりすることもNGです。
筋肉疲労が積み重なることで、痛みを引き起こしてしまう可能性があります。
そのため、歩行能力を上げて効率よく階段を昇降するには、体の軸である重心ラインを真っ直ぐに安定させて歩くことが重要です。
常に、両足の真上に体がくるように意識しながら階段を昇降しましょう。
そうすることで階段を昇降できれば、歩行能力が高められる上で、抗重力筋や体幹も鍛えられます。
(引用;コロナ太り解消の秘策 「階段を上る」にもコツがある)
昇段動作と降段動作の評価ポイント
昇段動作と降段動作は、筋活動のパターンや関節モーメントが違うため、評価ポイントも異なります。
昇段動作では、両脚支持相から挙上相にかけて主に前肢の大腿四頭筋と後肢のヒラメ筋が活動しています。
また、大殿筋は前肢接地から後肢接地まで活動し、立脚中の体幹屈伸の制動に貢献しているのが特徴です。
次に、降段動作では立脚期全般にわたりヒラメ筋が活動し、下降相では後肢の大腿四頭筋とヒラメ筋の活動が大きいです。
一方、大殿筋は前肢接地時にのみ活動し、中殿筋は昇段時も降段時も立脚期全般で活動し、側方のCOM動揺を制動する働きをしています。
このように、昇段と降段時で要求される力学的特性が異なるため、それぞれを細かく評価していくことが重要です。
(引用;階段昇降バランスの診るべき視点)
まとめ
今回は「膝に優しく、疲れにくい!階段歩行のコツと正しいフォーム」についてご説明しました。
階段の乗り降りのコツや正しい歩き方を意識しながら、膝に負担のない歩き方を習得していきましょう。
また、いつまでも正しい歩き方を続けるには、昇降動作で異なる動きを評価し、歩き方を改善していく必要があります。
そこで最後に、膝だけではなく体全体の負担を減らす歩行の習得に役立つ「AYUMI EYE」をご紹介します。
AYUMI EYEは、正しい歩行に必要な「バランス」「リズム」「推進力」を正確に測定・評価することができるデバイスです。
歩行の癖や重心のかけ方など負担がかかるポイントを正確に分析できるため、正しい歩行の習得と疲れにくい歩き方が身につきます。
ぜひ、膝の負担解消と歩行能力向上につながる歩行分析を活用しながら、いつまでも健康的な歩行を目指しましょう。
(参考資料)
(引用;数字で見る関節の痛み)
(引用;階段を降りるときにひざが痛い場合の理由)
(引用;階段を使ってスタイルアップ!正しい上り方・下り方のポイントは?)
(引用;コロナ太り解消の秘策 「階段を上る」にもコツがある)
(引用;階段昇降バランスの診るべき視点)
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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