コラム

歩行動作の仕組みと歩行周期の立脚期と遊脚期を紹介します

 
「歩行観察をしたいけど、どこを見ればいいかわからない」
「歩行観察をしたいけど、どんな風に整理して考えればいいかわからない」
「歩行分析をして、治療活動に役立てたいがどうすればいいかわからない」

歩行に関する悩みはつきません。

今回、基礎的な内容として理学療法士の方に、歩行動作の仕組みと歩行周期についてをお伝えします。

歩行動作の仕組みについて 

私たちは、常に重力の影響下にあり、立っているときも体は前に倒れようとする力を受けています。そのため、常に体の後面にある背筋や下腿三頭筋などの筋肉を使って体が前に倒れないようバランスを取り続ける必要があります。

歩行に関しては、この後面筋の活動を緩めることで体が前に倒れ出す反応を利用します。このバランスを崩した状況から、再度体を支えるための筋活動が連続され歩行動作となっていきます。

歩行周期について

引用元:歩行分析が苦手な人のための歩行分析

足裏で地面を踏み体を支える時期を立脚期、足をもち上げて前に振り出す時期を遊脚期といいます。
立脚期、遊脚期のそれぞれの時期を観察することで、どの時期にどんな活動が見られるのか、整理して考えることができます。

歩行周期:立脚相について

この時期は、足裏が徐々に床に接地していき体を支えることが必要となります。
この時期の観察で重要なものが床反力です。床反力とは、体が床に触れた時に生じる力のことであり、歩行時、体は床から跳ね返ってきた力に反応しながら、筋力を発揮しています。

①踵接地期 (Loading response)

踵が床に着く際、足は体よりも前にあり床反力も体の前でおこります。そのため、体は前に倒れ足関節も底屈方向に向かう力が働きます。その力に対抗するように脊柱起立筋群や大殿筋で体が前に倒れないよう支え、足首ではつま先を持ち上げる前脛骨筋が働きます。

②立脚中期 (Midstance)

この時期の床反力は、体が床に対して真っすぐに立ってくる時期なので、床反力も垂直に近い力がかかり重心も高く不安定です。そのため脊柱起立筋群や殿筋群で体を支えながら重心の位置をコントロールしています。

③立脚後期 (Terminal stance)

この時期では、体は前に移動していき床反力は体の後方を通ります。
この時、どんどん足関節で背屈が進み、この背屈に対抗するように下腿三頭筋を働かせて地面を蹴りだす動作へと繋がっていきます。この立脚後期の蹴りだしの強さが、遊脚期のスイングとなっていきます。

歩行周期:遊脚相について

遊脚相では、立脚期の影響を受けて下肢は振り子様の動きが生じて
いきます。

①遊脚初期 (Initial swing)から遊脚中期 (Mid swing)

立脚後期で生み出された前方への推進力によって、大腿部が前方に加速し股関節屈筋が強く活動する、この時、慣性の力によって膝が屈曲しすぎないよう大腿四頭筋の活動がバランス良く働くことが要求されます。

②遊脚中期 (Mid swing)から遊脚終期 (Terminal swing)

足が振り子様に体の真ん中あたりから前方へと移動していくと、徐々に振り子の動きは減速していきます。この時、足が前に行き過ぎるのを止めるため、股関節伸展筋が働くことや、次におこる踵接地での膝伸展による衝撃緩和のための膝屈筋の活動が起こってきます。

このように、歩行周期において、それぞれの時期によっておこる特徴を理解し分析していきましょう。

自然歩行の特徴について

①適切な歩行周期によるリズム歩行

両足の対象的な交互運動によってリズミカルに歩行されることが望ましく、その歩行周期の割合は、立脚相が60%遊脚相が40%が平均とされています。
(立脚相の前後10%ずつは両脚支持が見られます)

②エネルギー効率の良い歩行

重心の位置が大きくずれることなく、上下左右への振幅が少ない歩行がエネルギー効率の良い歩行とされています。そのためには適切な時期で、必要とされる関節の動きや筋活動は必要不可欠です。

③バランスの取れた歩行

両上肢の振りや、体幹の回旋運動によってバランスをとっています。
特に体幹は、上部と下部で逆方向に回旋させることで、重心の大きな移動を防いでいます。

まとめ


今回、歩行を観察するための方法についてご紹介させて頂きました。この内容を知識として得るだけではなく、実際に現象を観察し分析していくことが重要です。

これから、患者様や対象者の方とお会いするたびに、その姿勢や動作、歩行を観察することを繰り返してみてください。そしてどんな風に感じているのか、どこに力が入りにくいのか、痛みはないかなど問診につなげていくと治療に生かしていくことにもつながります。

ぜひ、実践しながら歩行を観察する力をつけていきましょう。

執筆者紹介

AYUMIEYE事務局

AYUMI EYEとは、早稲田エルダリーヘルス事業団が開発した 最先端の歩行能力解析デバイスです。

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