高齢化社会の昨今、転倒などの軽い外傷で骨折する高齢者は多いです。
骨折した場合、多くの人は病院に行き手術などの治療を行います。しかし、治療後すぐに自宅に帰れる人は少ないのが実情です。
回復期リハビリテーション病院へ転院し、歩行リハビリなどを行ったのちに自宅に帰れる場合は自宅へ、そうでなければ療養型の病院や養護老人ホームへ行きます。ずっと同じ病院であれば歩行の状態やリハビリの進行具合は把握しやすいが他施設へ行く場合は正確に伝えることは難しいです。
今回は他施設に対し、正確に伝える方法を解説します。
FIMによる評価とは?
FIM(Functional Independence Measure)を用いたADL評価法は患者の状態を評価する方法としてよく使われています。
FIMの評価は歩行だけでなく、食事やトイレ、認知機能など様々あり、計18あります。
歩行状態だけでなく、食事やトイレ事情、着替えなど様々な行為の状態を把握するためにはFIMによる評価はとても重宝し[※1]、実際に回復期リハビリテーションでの評価指標としてFIMを利用している施設は80%以上あります。[※2]
しかし、FIMの評価は「歩行」に焦点を当てると十分ではありません。
FIMによる歩行評価点について
FIMでは歩行の状態を1〜7点の評価点で評価します。
7点 完全に自立して50m歩くことができる
6点 杖など歩行補助具を使用し、50m歩くことができる
5点 監視・助言があれば50m歩くことができる / 15〜49mは自立して歩くことができる
4点 手を触れる程度の介助で50m歩くことができる
3点 しっかりと支えるように介助すると50m歩くことができる
2点 15m歩くのに介助が必要
1点 介助があっても15m以上歩けない / 15m歩くのに2名以上の介助が必要
この評価は主に介助が必要かどうかの観点で決められています。
患者は、自身の歩行がどのような状態かを十分に把握、評価できていない可能性があるため、実際にどのように歩いているのかが不明確です。
具体的な情報があれば歩行の評価がしやすい
実際に転院の際のリハビリサマリーでは下記のようなコメントを追加します。
「離殿時には介助を要するが、立位は手すりなどを把持すれば10秒可能。歩行器歩行では歩行器への荷重が多く、また右足は立脚期に動揺がみられる。」
このように具体的な表現があれば患者の歩行状態がFIMだけの状態よりも分かりやすいのは明白です。ただ、これもリハビリスタッフの主観が入っており、スタッフが変われば評価が変わってしまう可能性があります。
そこで歩行の状態を正確に評価するためには具体的な表現に加えて、客観的なデータがある方が望ましいです。
歩行リハビリの評価には歩行分析など客観的なデータを追加しよう
客観的なデータを具体的に挙げると連続して歩行可能な距離、100m歩行するための時間、歩幅、歩行時のバランス、歩行リズムなどが挙げられます。
これらをデータで示すことができれば、リハビリでどの程度歩行が改善されたか客観的に評価できます。
ただ、このようなデータを測定するためには歩行分析計などが必要となります。
AYUMI EYEは患者の腰に装着し、10m程度の歩行で簡便に歩行分析が行えます。さらにその歩行データはクラウドサーバへ保存されるため、いつでも専用iOSアプリやWebブラウザで確認することができ、またリハビリ中でも歩行状態が改善傾向に向かっているかを、患者に対して提示することができます。
患者それぞれに専用のモジュールを必要とせず、また専用の施設等も不要になるため、どの施設でも導入が可能です。まだ歩行分析を行なっていない施設さまは、AYUMI EYEの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はリハビリの評価として用いられているFIMを用いた評価について解説しました。
FIMを用いた評価は患者のADLを評価する上でとても有用な方法です。ただ、歩行リハビリに対する評価としては不十分な部分があることも事実です。
歩行リハビリを客観的なデータで正確に評価することは、患者にリハビリの効果を実感してもらうことにも繋がります。
現在、歩行解析を行なっていない施設さまは、歩行リハビリの評価にFIMだけでなく、歩行分析での評価も追加されてみてはいかがでしょうか。
[※1] 園田 茂. Jpn J Rehabil Med. 58. 2021. 970-974
[※2] 合田秀人 他. 理学療法科学. 36. 5. 2021. 675-681
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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