加速度センサーの測定結果を確認することで、歩行や身体に関するさまざまなことがわかります。
ここでは3つの例を取り上げ、何がわかるか確認していきましょう。
その1:転倒につながる歩行の有無
加速度センサーでは、転倒につながりやすい歩行かどうかチェックできることが代表的なメリットに挙げられます。
浅井らは転倒経験者の歩容について、「加速度の軌跡の振幅が小さく、smoothnessの低下した歩容となっている」と、2008年に公表された論文で言及しています。
これらの指標は、加速度センサーで検出可能です。
たとえばAYUMI EYEでは以下の情報を提供し、利用者が転倒しやすい歩行をしているかどうか確認できます。
・歩行速度
・歩幅
・RMS
・バランスマップ
・歩行周期ばらつき
データで示すことで、具体的なアドバイスを考え実行しやすくなります。
見た目では問題なさそうな方でも、転倒につながる歩行をしているかもしれません。
加速度センサーの活用で転倒しやすい特徴を早期に検出でき、転倒の防止に役立てます。
その2:リハビリの効果をチェックする
歩行分析を継続的に実施することで、リハビリの効果もチェックできます。加速度センサーは手間なく簡単に実施できるため、頻度高くチェックできることが特徴。
過去の履歴と比較することで、改善しているかどうかをひと目で確認できる点は強みです。
もし効果が上がっていない場合は、リハビリの方法を迅速に変えられることもメリットといえるでしょう。
その3:疲労しているかどうかもわかる可能性がある
疲労しているかどうかも、加速度センサーで判明する可能性がある事項です。
東らは22歳前後の健常な男性5名に対して、疲労前後で歩行がどう変わるか実験を行い、2011年3月に結果を公表しました。
その結果、疲労により歩行に以下の変化が起きることが確認されました。
・歩行周期が伸び、1分当たりの歩数が減少する
・歩行動作の強さが小さくなる
・統制の取れた歩き方がしにくくなる
上記に挙げた事項は、読者の方々も疲労した際に実感しているのではないでしょうか。データでチェックすることにより、早い段階で休養を取らせ、事故の防止に役立てます。
加速度センサーは医療やリハビリ、介護以外の分野にも応用できる機器といえるでしょう。
まとめ
加速度センサーの活用で、老若男女を問わず正しい歩き方の実現に近づけます。
1人でも多くの方が健康で安心できる生活を送ってもらうためにも、加速度センサーの活用をおすすめします。
《 ご 執 筆 者 さ ま 》
稗田 恵一さま(ひえだ けいいち)
千葉県在住
2017年以降、複数のメディアで介護に関する記事を執筆し、記名記事も多数掲載。
家族が介護施設に入った際の経験も活かし、役に立つ記事づくりを日々心がけています。
参考:
浅井剛, 土井剛彦:歩行分析における加速度センサの適用. 神戸学院総合リハビリテーション研究, 2008, 3(2):37-40.
http://www.reha.kobegakuin.ac.jp/~rehgakai/journal/files/no3-2/ronbun05.pdf
早稲田エルダリーヘルス事業団「AYUMI EYE」:
早稲田エルダリーヘルス事業団「AYUMI EYE medical」:
早稲田エルダリーヘルス事業団「解析データ」:
https://ayumieye.com/app_date/
早稲田エルダリーヘルス事業団「帳票の項目説明」:
https://ayumieye.com/report-viewpoint/
小林哲平, 三宅美博:加速度センサを用いた運動学的歩行分析システム-股関節疾患の術後リハビリにおけるWalk-Mate有効性評価への適用. 計測自動制御学会論文集, 2006, 42(5):567-576.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicetr1965/42/5/42_5_567/_pdf
東英和, 重岡正, 他:加速度計を用いた歩行分析による疲労推定特徴量の検討
歩行解析デバイスAYUMI EYEで歩行分析
AYUMI EYEはご利用者様の腰に専用ベルトを用いて装着し、10m歩くだけで評価を行うことが可能です。
バランスや歩行速度などがその場でiPad専用アプリにて解析され、結果が点数・マップ化してすぐに見ることができます。
測定者の評価の効率が上がるとともに、ご利用者様にもその場で結果を共有できるため、歩行の改善や歩行補助具の選定があっているのか、互いに確認することができます。
簡便な操作で分かりやすい結果をフィードバックできるAYUMI EYEを使用し、歩行分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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